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首の痛み

首の痛みとは

首の痛みとは、首周辺の筋肉、骨、関節、神経などが何らかの要因で負担を受け、炎症や筋緊張が生じる結果として発生する痛みで、生活習慣、姿勢の悪さ、加齢、外傷などが原因となります。

長時間のデスクワークやスマートフォンの使用など、同一姿勢の維持は首の筋肉に負担をかけ、慢性的な緊張やこりを引き起こします。

加齢に伴い頚椎の椎間板や関節が変性し、骨棘(こぶ)が形成されることで、神経が圧迫され首や肩、腕に痛みやしびれが生じる場合があります。

むち打ち症などの外部からの衝撃によって、首周囲の組織が損傷し、急性または慢性の痛みが発生するケースも少なくありません。

以下の表は、首の痛みの主な原因とその症状の特徴をまとめたものです。

原因

具体例

症状の特徴

筋緊張

長時間のパソコン作業、スマートフォンの使用

首のこり、肩こり、鈍い痛み

頚椎変性

加齢による椎間板の摩耗、骨棘形成

鈍痛、しびれ、腕や手への放散痛を伴う場合がある

外傷

むち打ち症、交通事故

急性の激しい痛み、動かすと悪化、時に慢性化する可能性がある

たとえば、40代のオフィスワーカーが、長時間のデスクワークによる悪い姿勢と筋緊張から首と肩に持続的なこりや痛みを感じ、休息や軽いストレッチだけでは改善しなかったケースがあります。検査の結果、頚椎の初期変性が認められ、姿勢の改善や適切なリハビリテーション、場合によっては薬物治療が推奨されました。

代表的な症状

首の痛みの代表的な症状には、首や肩のこり、持続的な鈍痛、放散する痛み、そして頭痛が含まれ、これらは主に筋緊張、姿勢不良、頚椎の変性や神経圧迫に起因します。

以下の表は、首の痛みの代表的な症状とその原因の例を示しています。

症状

具体例・説明

背景となる原因

首・肩のこり・鈍痛

長時間のパソコン作業で首と肩に持続的なこりを感じる

悪い姿勢や筋肉の過剰緊張

放散性の痛み

首の痛みが肩や腕、手に広がる

頚椎変性、骨棘形成による神経圧迫

頭痛

首の緊張からくる持続的な頭痛

筋緊張性頭痛、首筋の硬直による血流不足

たとえば、50代女性が日々のデスクワークにより首と肩の慢性的なこりを感じ、その痛みが肩や腕に放散し、さらに頭痛も訴えるケースでは、これらの症状が頚椎の初期変性や筋肉の緊張に起因していると診断され、姿勢改善やストレッチ、場合によっては理学療法が推奨されます。

代表的な疾患

首こり・肩こり

首こり・肩こりは、首や肩の筋肉の過度な緊張や疲労から生じる一般的な症状で、悪い姿勢や長時間のデスクワークなどが主な原因です。

早期の対策と生活習慣の改善により、症状の緩和と予防が可能です。

以下の表は、首こり・肩こりの主な原因と改善策の一例を示しています。

原因

具体例

改善策

悪い姿勢

長時間のデスクワーク、スマホ操作

姿勢の改善、環境整備、休憩の実施

筋肉の過度な緊張

同一姿勢の長時間維持

定期的なストレッチ、軽い運動、マッサージ

加齢による筋力低下

高齢者の筋力低下

筋力トレーニング、バランスの良い栄養摂取

たとえば、40代のオフィスワーカーが、長時間のパソコン作業による悪い姿勢で首と肩に慢性的なこりを感じ、定期的なストレッチと姿勢改善、理学療法を取り入れることで症状が緩和され、仕事のパフォーマンスや生活の質が向上したケースがあります。

首こり・肩こりの症状は、環境整備、定期的なストレッチ、運動、そして必要に応じた理学療法やマッサージなどで改善が期待されます。

早期の対策と生活習慣の見直しが、症状の緩和と予防に重要な役割を果たします。

頚部痛

頚部痛は、首周辺の筋肉、関節、椎間板や神経に負荷がかかることで生じる痛みで、長時間の同一姿勢、加齢、外傷、ストレスなどが主な原因となり、早期の診断と適切な対策が重要です。

以下の表は、頚部痛の代表的な原因とそれに伴う症状の例を示しています。

原因

具体例

症状・影響

長時間の同一姿勢

オフィスワーカーが長時間パソコン作業を続ける

首や肩のこり、鈍い痛み

加齢による変性

高齢者で椎間板の摩耗や骨棘形成が進行する

首から肩、腕にかけての放散痛、しびれ

外傷

交通事故でむち打ち症を起こす

急性の激しい痛み、可動域制限、慢性化のリスク

ストレス

精神的な緊張や疲労による筋緊張

持続的な首のコリ、頭痛、集中力低下

たとえば、40代のオフィスワーカーが、長時間のパソコン作業と不適切な姿勢により首と肩に慢性的なこりと鈍痛を感じ、ストレッチや姿勢改善、軽い理学療法を実施した結果、症状が改善したケースが報告されています。

頚部痛は、首や肩周辺の筋肉・関節への過度な負担、加齢による変性、外傷やストレスなど、複数の要因が複合して発症する症状です。

信頼性のあるデータに基づき、特に長時間のデスクワークを行う人や高齢者に多く見られるため、日常生活での姿勢改善や適度な運動、必要に応じた専門的治療が症状の緩和と生活の質の向上に不可欠です。

頸椎椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニアは、頚椎の椎間板が変性や外傷によって突出し、周囲の神経を圧迫することで、首から肩、腕にかけて激しい痛みやしびれを引き起こす疾患で、早期の診断と適切な治療が重要です。

以下の表は、頚椎椎間板ヘルニアの症状と診断、治療の一例を示しています。

項目

内容・具体例

目的・効果

症状

首の激しい痛み、肩や腕への放散痛、しびれ、筋力低下

神経圧迫による症状の現れ

診断

MRIやCTスキャンにより椎間板の突出と神経圧迫を確認

正確な病変の把握と治療計画の策定

治療

保存療法(リハビリ、鎮痛薬)または手術療法

痛みの軽減と神経圧迫の解除、機能回復の促進

たとえば、40代の男性が慢性的な首の痛みとともに、肩から腕にかけてのしびれや筋力低下を訴え、MRI検査により頚椎椎間板ヘルニアが確認されたケースでは、保存療法と理学療法を組み合わせた治療を行い、症状の改善が認められた事例があります。

頚椎椎間板ヘルニアは、加齢や外傷、過度な負荷により椎間板が変性し突出することで、周囲の神経を圧迫し、首から肩、腕にかけて痛みやしびれが生じる疾患です。

MRIやCTなどの画像診断によって正確に病変を把握し、保存療法や必要に応じた手術療法により治療することが重要です。

早期の診断と適切な治療介入により、症状の改善と生活の質(QOL)の向上が期待されます。

首の骨の変形・
変形性頚椎症・頚椎症

首の骨の変形、変形性頚椎症、頚椎症は、加齢や長年の繰り返し負荷により、頚椎の構造が劣化・変形して神経や周囲組織に圧迫が生じ、首や肩、腕に痛みやしびれを引き起こす疾患群です。

長年の摩耗や加齢により、椎間板の減少、骨棘の形成、椎骨の変形が進行し、神経の圧迫や関節の不安定性を招きます。

国立循環器病研究センターや日本整形外科学会の資料によれば、変形性頚椎症は特に中高年以降に多く見られ、首の痛みや神経症状の原因として臨床的に確立されています。

長時間の前傾姿勢や不良な姿勢、日常的なストレスや運動不足も、首の骨の変形や椎間板の劣化を促進し、症状の悪化に寄与します。

以下の表は、変形性頚椎症や頚椎症による症状とその背景の一例を示しています。

症状・所見

具体例

背景・原因

首の慢性的な痛み

長期間にわたる鈍痛、特に朝起床時や長時間の作業後に悪化

加齢、椎間板の摩耗、骨棘形成による関節不安定性

肩や腕への放散痛

首の痛みが肩や腕、手に広がり、しびれを伴うことがある

神経根の圧迫、椎骨の変形による神経経路の障害

可動域制限

首の動きが悪くなり、左右回旋や前後の屈伸に制限がある

関節の変形、骨の摩耗による機能低下

画像診断の所見

MRIやX線検査で椎間板の減少、骨棘、椎体の変形が認められる

加齢や長期間の負荷により、頚椎の構造変化が進行

例えば、60代の男性が長年のデスクワークと前傾姿勢による負担から、首の慢性的な痛みと肩・腕への放散痛を訴え、X線検査で椎間板の減少と骨棘形成が確認された場合、変形性頚椎症と診断され、理学療法や適切な姿勢指導、場合によっては手術療法が検討されるケースがあります。

ストレートネック

ストレートネックストレートネックは、首の正常な湾曲が失われる状態で、これにより首や肩、頭部の痛み、疲労感、頭痛などの症状が生じることがあり、日常生活に支障をきたす可能性があります。

長時間のデスクワークやスマートフォン、タブレットの使用など、前傾姿勢が続くことがストレートネックの主な原因とされています。

正常な頚椎の湾曲は、衝撃吸収や血流の促進に寄与しますが、ストレートネックではこの湾曲が失われ、筋肉や靭帯に過剰な負担がかかるため、慢性的な痛みやコリ、神経への圧迫が生じます。

厚生労働省の調査や専門機関の報告では、現代のオフィスワーカーやスマホ利用者において、ストレートネックの症状を訴えるケースが増加していることが示されており、予防策の重要性が強調されています。

以下の表は、ストレートネックの症状とその背景、改善策の一例を示しています。

項目

内容・具体例

影響と対策

症状

首や肩の慢性的な痛み、頭痛、肩こり、眼精疲労

日常生活でのパフォーマンス低下、集中力不足

原因

長時間のデスクワーク、スマホの長時間使用、不適切な姿勢

姿勢改善、適度な休憩、ストレッチの実施

対策

環境の改善、定期的なストレッチ、理学療法

症状の軽減、血流改善、筋肉のリラクゼーション

たとえば、40代のオフィスワーカーが、長時間のパソコン作業とスマホ使用により、首の痛みと肩こり、頭痛を訴えた結果、ストレートネックと診断され、作業環境の整備や定期的なストレッチ、理学療法を取り入れることで症状が改善されたというケースが報告されています。

ストレートネックは、現代の生活習慣に起因する姿勢の悪化が主な原因であり、首の自然な湾曲が失われることで首や肩、頭部に痛みやコリ、疲労感を引き起こします。

これに対して、姿勢改善、作業環境の整備、定期的なストレッチや理学療法などの予防・改善策が非常に効果的です。

早期の対策により、症状の悪化を防ぎ、健康な生活の維持につながります。

首さがり病

首さがり病は、首の正常なカーブ(頚椎前弯)が失われ、頭部が前方に突出する状態で、これにより首や肩の筋肉に過度な負担がかかり、慢性的な痛みやこり、場合によっては神経圧迫によるしびれが生じる疾患です。

長時間のデスクワークやスマートフォンの使用など、前かがみの姿勢が続くことで、首の自然な前弯が失われ、首さがり病の発症リスクが高まります。

正常な頚椎カーブは衝撃を吸収し、首の動きをスムーズに保つ役割がありますが、カーブが失われると、首周囲の筋肉や靭帯に過度な緊張がかかり、慢性的な痛みや炎症を引き起こすことが示されています。

多くのオフィスワーカーやスマホユーザーにおいて、首さがり病が原因と考えられる首の痛みが報告されており、環境改善や理学療法の重要性が認識されています。

以下の表は、首さがり病の特徴、影響、及び改善策の一例を示しています。

項目

内容・具体例

影響・対策

特徴

頚椎の前弯が失われ、頭部が前方に突出する

自然な衝撃吸収機能の低下、首・肩の筋緊張の発生

症状

慢性的な首や肩の痛み、こり、頭痛、肩や腕への放散痛

生活の質(QOL)の低下、作業効率の低下

原因

長時間の前傾姿勢、スマホやパソコンの過度使用

姿勢改善、環境整備、定期的なストレッチ

改善策

姿勢矯正のエクササイズ、理学療法、適切なデスク環境の整備

症状の緩和、筋肉のリラクゼーション、痛みの予防

例えば、35歳のオフィスワーカーが、長時間のパソコン作業とスマートフォン使用により、首の前弯が失われ、慢性的な首と肩のこり、頭痛に悩まされるようになりました。専門の理学療法士による姿勢矯正エクササイズとデスク環境の改善を実施することで、症状が大幅に軽減し、日常生活の質が向上したという事例があります。

むち打ち(外傷性頚部症候群)、頚椎捻挫

むち打ち(外傷性頚部症候群)および頚椎捻挫は、交通事故や急激な衝撃により首の筋肉や靭帯、椎間板に損傷が生じ、首や肩の激しい痛み、こり、可動域の制限を引き起こす外傷性の疾患です。

早期診断と適切な治療が、慢性化や後遺症の予防に重要です。

厚生労働省や国立国際医療研究センターの情報によれば、交通事故に伴うむち打ち症は、特に後遺症が慢性化するリスクがあり、早期の適切な治療介入が重要とされています。

初期の治療が不十分な場合、首や肩の慢性的な痛み、運動制限、さらには神経障害に進展する可能性があるため、診断と治療のタイミングが鍵となります。

以下の表は、むち打ち(外傷性頚部症候群)および頚椎捻挫の症状と治療の一例を示しています。

項目

具体例・説明

対策・治療

急性期の症状

・首の激しい痛み
・肩や腕への放散痛
・首の可動域制限

・安静
・鎮痛薬、筋弛緩薬の投与
・アイシング

中期以降の症状

・慢性的なこり、痛みの継続
・頭痛や眼精疲労を伴う場合

・理学療法、ストレッチ
・姿勢矯正、適切なサポート

診断方法

・問診、身体診察
・X線、MRIなどの画像診断で損傷部位を確認

・早期診断により治療計画を策定

例えば、40代の男性が交通事故後に急性の首の痛みと肩への放散痛を訴え、病院でX線検査やMRIにより頚椎捻挫とむち打ち症が診断されたケースでは、初期の安静と鎮痛治療、続いて理学療法を組み合わせることで、症状が改善され、長期的な後遺症の予防につながった事例があります。

首の神経が圧迫を受けると
深刻な状態へと移行しやすいため注意が必要

頚椎の中には脳とつながる重要な神経である頚髄が通っています。

この頚髄に圧迫が生じると、歩行障害や麻痺、筋力の低下など深刻な症状が現れる可能性が高まります。

そのため、このようなリスクを避けるためには慎重な注意が必要です。

診断

首の痛みの診断は、詳細な問診、身体検査、画像診断、および神経学的評価を組み合わせて原因を明確にし、最適な治療計画を策定することが基本です。

以下の表は、首の痛みの診断プロセスの一例を示しています。

診断プロセス

内容・評価方法

具体例

問診

症状発現時期、外傷歴、作業環境、生活習慣の確認

長時間のデスクワーク、スマホの過剰使用

身体検査

首の可動域、圧痛、筋緊張、姿勢の異常の確認

首の左右回旋制限、頚部の圧痛

画像検査

X線やMRIにより頚椎の構造変化、骨棘や椎間板の異常を確認

MRIで椎間板ヘルニアや頚椎変性が認められたケース

神経学的評価

反射、筋力検査、感覚検査により神経圧迫の有無を評価

神経根圧迫による腕や手へのしびれが確認された患者

例えば、40代男性が慢性的な首の痛みと肩こり、さらに腕へのしびれを訴え、詳細な問診と身体検査の後、MRI検査で頚椎の変性と椎間板ヘルニアが確認され、神経学的検査で神経圧迫が示された場合、これらの情報を総合して正確な診断が下され、治療計画(理学療法、薬物療法、場合により手術など)が立てられることになります。

治療

首の痛みの治療は、原因に応じた多角的アプローチが必要で、保存療法(薬物療法、理学療法、姿勢矯正など)を基本とし、必要に応じたインターベンションや手術を検討することが重要です。

多くの研究やガイドライン(厚生労働省のe-ヘルスネット、日本整形外科学会のガイドライン)によれば、首の痛みは、まず薬物療法(鎮痛薬、筋弛緩薬)、理学療法(ストレッチ、筋力トレーニング、姿勢改善)で効果的に管理できるとされています。

保存療法の効果は、臨床試験や実践的なデータにより支持されており、痛みの緩和、機能回復、再発予防に寄与することが確認されています。

以下の表は、首の痛みの治療における代表的なアプローチとその目的の一例です。

治療アプローチ

主な治療内容

目的・効果

薬物療法

鎮痛薬、筋弛緩薬、抗炎症薬の内服または外用

痛みの即時緩和、炎症の抑制

理学療法

ストレッチ、筋力トレーニング、マッサージ、温熱療法

姿勢改善、筋肉の緊張緩和、機能回復

姿勢矯正

環境整備、コルセットや枕の使用

正しい姿勢の維持、再発予防

インターベンション・手術

神経ブロック注射、椎間板切除術、頚椎固定術(重症例の場合)

神経圧迫の解除、症状の根本的な改善(保存療法で効果不十分な場合)

例えば、50代の男性が長時間のデスクワークによる慢性的な首と肩の痛み、または頚椎の変性に伴う神経症状で受診した場合、まずは薬物療法と理学療法による保存的治療が行われ、症状の改善が見られなければ、画像検査をもとにインターベンション(神経ブロック注射)や手術療法が検討されるという流れが一般的です。

当院ではリハビリテーションにも
力を入れて取り組んでおります

リハビリテーション当院では、個々の患者様の状態に合わせたカスタムリハビリテーションプログラムを提供しています。

首は非常に複雑な部位であり、専門的な治療が必要です。

理学療法士は、個別のケースに合わせて効果的なケアを提供し、患者様の全身のバランスを考慮した治療を行っています。

患者様の回復ペースを考慮し、段階的な治療を通じて、満足いただける治療をご提供しています。

リハビリテーション

首の痛みでお悩みの方は
当院にご相談ください

首は脳と直結し、多くの神経が通る重要な部位です。

その繊細な構造ゆえ、首の異変は重症度が高く、脊髄損傷など生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。

異常を感じたら早めの検査と治療が重要です。

加齢による症状だけでなく、若い世代にも見られるストレートネックなどの疾患が原因の場合もあります。

異常を感じたら早急に相談することが大切です。

当院では的確な検査と適切な治療を提供しておりますので、安心してご相談ください。