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首や肩のこり

首こり・肩こりとは

首こり・肩こりとは

首こり・肩こりとは、長時間の不良姿勢やストレス、反復的な作業によって、首や肩周辺の筋肉が過度に緊張し、血行障害や疲労が蓄積する状態を指し、結果として痛み、こわばり、疲労感、場合によっては頭痛などが生じ、生活の質(QOL)に大きな影響を与えます。

長時間のパソコン作業やスマートフォン使用、悪い姿勢は、首や肩の筋肉に持続的な負荷をかけ、これが筋肉の過緊張と血流の悪化を引き起こし、こりや痛みの原因となります。

厚生労働省のe-ヘルスネットや国立国際医療研究センターの資料によれば、首こり・肩こりは現代人に非常に一般的な症状であり、適切な対策と生活習慣の改善が推奨されています。

多くの臨床研究で、ストレッチ、理学療法、姿勢矯正、適度な運動が、首や肩のこりの改善に効果的であると確認されており、早期の介入が症状緩和と再発防止に寄与することが示されています。

以下の表は、首こり・肩こりの症状と、一般的な診断および治療アプローチの一例を示しています。

項目

具体例・説明

対策・治療例

症状

・首や肩の持続的な鈍痛や鋭い痛み
・首のこわばり、肩の凝り感
・頭痛、集中力低下

日常生活や仕事に支障をきたす

原因例

・長時間のデスクワーク、スマホ操作による不良姿勢
・ストレス、睡眠不足

姿勢の悪さや過度の負荷が主な原因

治療法(保存療法)

・理学療法:ストレッチ、筋力強化、マッサージ、温熱療法
・休息、適切な睡眠、姿勢改善
・運動療法:ウォーキングや軽いエクササイズ

血行促進と筋肉のリラクゼーション、痛みの緩和を図る

生活習慣の改善

・作業環境の改善
・定期的な休憩と運動、ストレス管理

長期的な症状の予防とQOLの向上

首こり・肩こりの原因

首こり・肩こりの原因

首こり・肩こりの原因は、長時間の不良姿勢、反復動作、ストレス、睡眠不足、加齢などにより首や肩周辺の筋肉が過度に緊張し、血流障害や疲労が蓄積することによって引き起こされます。

これらの要因が複合的に作用し、症状の発生につながります。

以下の表は、首こり・肩こりの原因とそれに伴う症状の例、および対策を示しています。

原因

具体例・症状

対策・改善策

不良姿勢

長時間のデスクワーク、スマホ操作による猫背や前傾姿勢

姿勢改善、定期的なストレッチ

反復動作

毎日のルーチン作業や運動での同一動作の繰り返し

休憩の取り方の工夫、運動フォームの見直し

ストレス・睡眠不足

精神的ストレスや睡眠不足により、筋肉が緊張し持続的なこりが発生

ストレス管理、十分な休息、リラクゼーション法の実践

加齢

年齢に伴う筋肉や軟部組織の弾力性低下により、姿勢維持が困難

適度な運動、理学療法、生活習慣の改善

首こり・肩こりを
症状として起こす疾患

首こり・肩こりは、単なる筋肉の疲労やストレスだけでなく、様々な疾患の症状として現れることがあります。

具体的には、頚椎椎間板ヘルニア、肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)、関節リウマチ、頚椎症、眼精疲労、さらには自律神経の乱れなどが原因として挙げられ、これらが首や肩の筋肉に過度な負担や炎症を引き起こすことで症状が出現します。

以下の表は、首こり・肩こりを症状として起こす代表的な疾患と、その症状・治療アプローチの一例です。

疾患

具体例・症状

対策・治療例

頚椎椎間板ヘルニア

首から肩、腕にかけての放散痛、しびれ、筋力低下、首こり

保存療法(薬物療法、理学療法)、必要に応じ手術

肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)

肩の痛み、こわばり、動作制限、首への影響からくる首こり

理学療法、鎮痛薬、運動療法、場合により手術

関節リウマチ

複数関節に慢性的な炎症が広がり、首や肩を含む関節に痛み、腫れ、朝のこわばりが現れる

DMARDs、生物学的製剤、理学療法、生活習慣の改善

頚椎症

頚椎の変性や骨棘が原因で首や肩に慢性的なこりと痛み、神経圧迫症状が伴う

薬物療法、理学療法、神経ブロック、必要に応じ手術

眼精疲労や自律神経の乱れ

長時間のパソコン作業などで、首や肩に緊張が蓄積し、こりや頭痛が現れる

休憩、目のケア、ストレス管理、適度な運動

首こり・肩こりの診断方法

首こり・肩こりの診断方法は、詳細な問診と身体検査を基本とし、必要に応じて画像診断や血液検査を組み合わせることで、原因となる疾患(例えば、頚椎椎間板ヘルニア、肩関節周囲炎、関節リウマチなど)を正確に特定し、最適な治療方針を決定するために不可欠です。

以下の表は、首こり・肩こりの診断に用いられる主な検査とその役割を示しています。

検査方法

目的・評価内容

具体例・効果

問診・身体検査

痛みの性質、発症状況、生活習慣、姿勢、既往歴の聴取と評価

症状パターンから、慢性の筋緊張や神経圧迫が疑われる

X線検査

骨の変形、骨棘形成、関節間隙の狭小化を確認

頚椎や肩関節の構造異常、変形性疾患の有無を確認

MRI/CT検査

軟部組織(椎間板、靭帯、筋肉)の損傷や炎症、神経圧迫を詳細に評価

頚椎椎間板ヘルニア、肩関節周囲炎の早期診断に寄与

超音波検査

筋肉や腱の炎症、血流状態の評価

筋肉の過緊張や腱炎の状態をリアルタイムで確認

血液検査

炎症マーカーや自己免疫指標(リウマトイド因子、抗CCP抗体)の測定

リウマチ性疾患など、全身性の炎症の有無を鑑別

首こり・肩こりの予防

首・肩こりの予防は、生活習慣や作業環境の改善、適切な運動とストレッチ、休息の確保、そしてストレス管理を通じて、首や肩周辺の筋肉の過緊張や血行不良を防ぐことにより、慢性的なこりや痛みの発症を抑え、生活の質(QOL)の向上につながります。

以下の表は、首・肩こりの予防対策とその効果の一例です。

対策・改善策

説明・具体例

期待される効果

作業環境の改善

デスクや椅子の調整、モニターの適正な位置調整

姿勢の改善と筋肉への不均一な負荷の軽減

定期的なストレッチ・運動

1~2時間ごとに短い休憩とストレッチ、週に数回のウォーキングや筋力トレーニング

血行促進、筋力強化、柔軟性向上によりこりの予防

適切な休息と睡眠

十分な睡眠時間の確保、休息中のリラクゼーション

筋肉の回復、精神的ストレスの軽減

ストレス管理

マインドフルネス、趣味の活動、適切な休暇の取得

精神的リラックス、身体全体の緊張緩和

首こり・肩こりの治療

首・肩こりの治療は、原因に応じた多角的なアプローチが求められ、主に保存療法(理学療法、運動療法、薬物療法、マッサージ、ストレッチ、生活習慣の改善)を中心に行われます。

これに加え、症状が重度の場合は、注射療法や一部のケースで外科的介入も検討され、全体として症状の軽減と機能回復、QOLの向上を目指します。

以下の表は、首・肩こりの治療における各アプローチの一例を示しています。

治療アプローチ

主な内容

目的・効果

理学療法・運動療法

定期的なストレッチ、筋力強化、姿勢矯正エクササイズ、温熱療法

血行促進と筋肉のリラクゼーション、柔軟性の向上、こりの軽減

薬物療法

NSAIDsや筋弛緩薬、鎮痛薬の内服

炎症の抑制、痛みの緩和

マッサージ・注射療法

専門家によるマッサージ、局所注射

筋肉の緊張緩和、局所炎症の軽減

生活習慣の改善

作業環境の整備、十分な休息と睡眠、ストレス管理、適度な運動、姿勢改善

長期的な再発防止、全体的な健康の向上、生活の質(QOL)の改善

よくある質問

首こり・肩こりが長期間続く場合、どのような治療法が考えられますか?

まずは保存療法(生活習慣の改善、理学療法、薬物療法)を実施しますが、改善が見られない場合は、注射療法や外科的介入など、より専門的な治療が検討されます。継続的なフォローアップも重要です。

どのような場合に医師の診察を受けるべきですか?

こりが数週間以上続いたり、痛みが激しくなり日常生活に支障が出る場合、あるいはしびれや筋力低下などの神経症状が見られる場合は、早期に医師の診察を受けることが推奨されます。

症状が改善されない場合、追加でどのような検査が必要ですか?

保存療法で改善が見られない場合、MRIやCT検査、神経伝導速度検査、血液検査などを用いて、頚椎椎間板ヘルニアやリウマチ性疾患、神経圧迫などの潜在的な原因を詳しく評価することが推奨されます。

どのくらいの頻度で休憩やストレッチを行えば、首こり・肩こりの予防に効果的ですか?

一般的には、1~2時間ごとに短い休憩を取り、首や肩のストレッチや軽い運動を行うことが推奨されています。これにより、筋肉の緊張を緩和し、血行が改善されるため、こりの発症を予防できます。

温熱療法と冷却療法は、首こり・肩こりの症状に対してどのように使い分けるべきですか?

温熱療法は、血行促進と筋肉のリラクゼーションに効果があり、慢性的なこりや硬直に対して有効です。一方、急性の痛みや炎症、腫れがある場合は、冷却療法が症状の悪化を抑えるために適しています。症状の状態に応じて適切に使い分けることが大切です.