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イボ

イボ(疣贅)とは

イボ(疣贅)とはイボ(疣贅)とは、主にヒトパピローマウイルス(HPV)感染によって引き起こされる良性の皮膚腫瘍です。

皮膚の微小な傷からウイルスが侵入し、細胞の過剰増殖が起こることで、手、足、顔などにイボが発生します。

多くの場合は自然治癒することもありますが、症状や見た目が気になる場合は、凍結療法などによる治療が行われます。

イボの種類

尋常性疣贅

尋常性疣贅尋常性疣贅は、ヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされる良性の皮膚感染症で、主に手、指、顔、足などに小さく硬いイボが現れます。

通常は無害ですが、見た目や感染拡大の点で気になるため、適切な治療や予防が求められます。

尋常性疣贅はHPVの感染が原因で、皮膚の微小な傷からウイルスが侵入し、細胞の増殖を促進することで発症します。

HPVは接触感染により広がるため、家庭内や学校などで複数の人に見られることがあります。

厚生労働省のe-ヘルスネットでは、尋常性疣贅は一般的な皮膚疾患として説明され、治療には凍結療法などが推奨されています。

多数の研究で、尋常性疣贅に対する凍結療法(液体窒素治療)が効果的であり、再発予防のためには早期治療と衛生管理が重要であることが示されています。

以下の表は、尋常性疣贅の特徴と一般的な治療法の一例を示しています。

項目

具体例・説明

対策・治療例

症状

手や指、顔に小さく硬いイボができ、表面が粗くざらついている。

特に痛みは少ないが、見た目が気になる場合に治療対象となる。

原因

HPV感染による皮膚細胞の過剰増殖。

感染源の接触を避ける、衛生管理の徹底。

治療法

凍結療法(液体窒素)など。

必要に応じて複数回の治療を実施。

例えば、10代の学生が、手の指に尋常性疣贅が複数できたケースでは、医師の診察のもと、液体窒素による凍結療法が数回行われました。その結果、イボは徐々に縮小し、最終的には消失。さらに、衛生管理と再感染防止のための生活習慣の指導が行われ、再発は見られませんでした。

伝染性軟属腫(水イボ)

伝染性軟属腫(水イボ)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)による感染が原因で発生する良性の皮膚腫瘍です。

主に子供や若年層に見られ、手や足などに小さく、ざらざらした表面のイボとして現れ、直接接触により容易に伝染します。

通常は自然治癒することもありますが、症状が気になる場合は医療機関での治療が推奨されます。

伝染性軟属腫は、HPVが皮膚の微小な傷から侵入し、皮膚細胞の過剰増殖を引き起こすことで発生します。

直接接触や共有物品を介して容易に感染が広がるため、学校や家庭内で複数の症例が見られることが多いです。

多くの場合、数ヶ月から1年程度で自然に消失することがある一方、治療が必要な場合は凍結療法(液体窒素治療)などが効果的とされています。

厚生労働省のe-ヘルスネットや日本皮膚科学会のガイドラインによれば、伝染性軟属腫は一般的な皮膚疾患であり、早期の治療介入と衛生管理が推奨されています。

以下の表は、伝染性軟属腫(水イボ)の特徴と治療アプローチの一例です。

項目

具体例・説明

対策・治療例

症状

手や足に小さくざらざらした表面のイボが出現。色は肌色からやや茶色で、境界がはっきりしている。

軽度の場合は自然治癒を待つが、見た目や症状が気になる場合は治療が必要。

原因

ヒトパピローマウイルス(HPV)による皮膚感染。直接接触や共有物品によって伝染。

感染源の回避と衛生管理の徹底。

治療法

凍結療法(液体窒素)など。

症状の改善と再発防止を目的とした治療が行われる。

例えば、8歳の男児が、学校で手に伝染性軟属腫が発生し、同級生に広がったケースでは、皮膚科での診察後、液体窒素を用いた凍結療法が実施されました。治療後、イボは徐々に縮小し、数回の治療でほぼ消失。さらに、衛生管理と直接接触の注意が指導され、再発は見られませんでした。

脂漏性角化症(老人性イボ)

脂漏性角化症(老人性イボ)脂漏性角化症(老人性イボ)は、加齢に伴う皮膚細胞の過剰増殖によって生じる良性の皮膚腫瘍で、見た目は「ぴったりと貼り付いた」ような、茶色から黒色の、ざらざらした外観が特徴です。

これらは癌化しないため、主に美容上の理由で治療され、治療法としては凍結療法などが用いられます。

脂漏性角化症は、加齢により皮膚の細胞ターンオーバーが乱れ、ケラチノサイトが過剰に増殖することで発症します。

皮膚表面に「貼り付いた」ような見た目を呈し、特に顔、背中、胸部などに多く見られます。

厚生労働省のe-ヘルスネットや日本皮膚科学会のガイドラインでは、脂漏性角化症は高齢者に一般的に見られる良性の皮膚病変として位置づけられ、治療は主に美容上の理由や摩擦による刺激がある場合に行われるとされています。

多くの臨床研究で、凍結療法などが脂漏性角化症に対して安全かつ効果的であることが示されています。

以下の表は、脂漏性角化症の特徴と治療法の一例を示しています。

項目

具体例・説明

対策・治療例

症状

茶色から黒色の、ざらざらとした外観の皮膚腫瘍。表面は滑らかで、まるで「シール」のように見える。

美容上の問題や摩擦による刺激がなければ治療は不要。ただし、見た目が気になる場合には治療が選択される。

発生部位

主に顔、背中、胸部、腕など高齢者に多く見られる。

定期的な皮膚のチェックと必要に応じた専門医への相談。

治療法

凍結療法(液体窒素治療)など。

治療は症状の重さ、美容上の希望、部位に応じて選択される。

例えば、70歳の女性が、背中に複数の脂漏性角化症を持っており、見た目に不満を感じたため皮膚科を受診。医師は凍結療法を推奨し、数回の治療でイボが徐々に縮小し、見た目が改善されたという事例があります。

アクロコルドン、スキンダック(首イボ)

アクロコルドンおよびスキンダック(首にできるイボ)は、加齢や摩擦、遺伝的素因により発生する良性の皮膚腫瘍です。

多くの場合、健康上の問題はなく、美容的な理由や日常生活での摩擦・刺激が気になる場合に除去治療が選択されます。

アクロコルドンは、皮膚が繰り返し摩擦や刺激を受けることで、局所的な細胞増殖が促進され、柔らかく小さなイボが形成されます。

遺伝的素因やホルモンの影響も関与していると考えられます。

高齢者に多く見られ、皮膚の老化や弾力低下により発生しやすくなる傾向があります。

厚生労働省のe-ヘルスネットや日本皮膚科学会の資料では、アクロコルドンは一般的な良性皮膚病変として位置づけられており、特に摩擦の多い部位(首、脇の下、首回りなど)でよく見られると報告されています。

治療は通常、美容上の理由や摩擦による不快感がある場合に行われ、凍結療法などが選択されます。

これらの治療法は安全で再発も少ないとされています。

以下の表は、アクロコルドンおよび首にできるスキンダックの特徴と一般的な対処法の一例です。

項目

具体例・説明

対策・治療例

症状

皮膚表面に柔らかく、茎状に連なる小さなイボ。色は肌色から茶色で、特に首や脇の下に多く見られる。

痛みや不快感がなければ経過観察。美容上の理由や摩擦による刺激がある場合に除去治療。

原因

摩擦、遺伝的素因、加齢に伴う皮膚の弾力低下などが背景にある。

皮膚を清潔に保ち、摩擦を避ける生活習慣が予防に有効。

治療法

凍結療法(液体窒素治療)など。

治療法は症状や患者の希望に応じて選択され、再発は比較的少ない。

例えば、60代の女性が、首回りに目立つアクロコルドンが複数でき、美容上の理由から皮膚科を受診。医師の診察のもと、凍結療法が実施され、数回の治療でイボは目立たなくなり、再発もなく経過した事例があります。

イボの治療

凍結療法

凍結療法は、イボ治療において一般的かつ効果的な方法であり、液体窒素を用いてイボ組織を凍結し破壊することで、イボを除去します。

この治療法は、短時間で施術が完了し、再発率も低いことから、保険診療で広く採用されています。

液体窒素を用いた凍結療法は、イボの細胞を急速に凍結・解凍させることで、細胞破壊を引き起こします。

破壊された組織は、自然治癒過程により徐々に排除され、イボが除去されます。

凍結療法は、比較的簡便で局所的に行われるため、全身への影響が少なく、治療後の回復期間も短いとされています。

多くの臨床研究により、伝染性軟属腫や尋常性疣贅などのイボに対して高い治療効果が認められています。

厚生労働省のe-ヘルスネットでは、凍結療法はイボ治療の基本的かつ標準的な方法として紹介され、患者の症状や部位に応じた適切な治療法の一つとされています。

凍結療法は、局所的な治療であるため、正しく施術すれば再発率が低いと報告されており、継続的な管理がしやすい点も評価されています。

以下の表は、凍結療法によるイボ治療の一例を示しています。

項目

具体例・説明

対策・治療例

対象となるイボ

伝染性軟属腫、尋常性疣贅、脂漏性角化症などの良性イボ

主に皮膚表面に限定された小さなイボに適用される

施術方法

液体窒素を用いてイボ組織を急速に凍結し、細胞破壊を促す

1回の施術で効果が期待でき、必要に応じて複数回実施することもある

治療後の経過

凍結後、イボ組織が自然に剥離し、数日~数週間で治癒が進む

治癒後は再発予防のため、衛生管理と定期的な皮膚科チェックが推奨される

内服

ヨクイニン内服

漢方のヨクイニンはハトムギの成分で、イボなどのできものを改善する効果があります。即効性はありませんが、免疫力が高まることによる改善能力が認められており、頻繁に通院ができない方に気長に治療していただく場合に適した療法です。

スピール膏

サリチル酸を含む絆創膏で、角化した皮膚を柔らかくする働きがあります。古くからウオノメやタコを取り除く治療に使われてきましたが、貼り続けることでイボの表面も柔らかくなるため、イボが小さくなる効果を得ることができます。

それだけでは効果が弱く、他の治療法をあわせて、補助的に使用します。

イボは自分でとれる?

イボは自分でとれる?イボは、ご自身で取ろうとして、削ったり切ったりするとかえって悪化したり、ウイルス性のイボの場合は、数が増えることがあります。
必ず医師に相談するようにしてください。

セルフチェックをしましょう

以下の最初の項目に該当し、2番目からの項目のどれかに該当する場合、尋常性疣贅(ウイルス性のイボ)の可能性があります。

  • 数mm~1cm程度、小さなドームのように皮膚が盛り上がっている
  • 自覚症状(痛みなど)はほとんど感じない
  • 手指、足裏など角化・角質の多い部分の近くにイボがある
  • それ以外の場所にも症状がある
  • 表面は硬くざらついた感じがある

尋常性疣贅の場合は、なんらかのきっかけでイボからウイルスが出て拡がって数が増える可能性があります。

増えてしまうと治療も難しく、時間がかかるようになりますので、お早めにご相談ください。

よくある質問

イボは伝染するのですか?

はい、イボは伝染性があり、直接の皮膚接触や共有物品を介して他の人に感染する可能性があります。ただし、個々の免疫状態によって発症リスクは変わります。

イボは治療しても再発することがありますか?

はい、イボは一度治療しても再発することがあります。再発防止のためには、感染源の回避、衛生管理の徹底、そして定期的な皮膚科のフォローアップが重要です。

イボはどのような部位にできやすいですか?

一般的に、イボは手のひら、指、足の裏など、摩擦や圧力がかかりやすい部位にできやすいですが、個人差があり、顔や首、体幹にも現れることがあります。

イボは自然治癒することがありますか?

はい、多くのイボは、特に若年層では免疫力により数ヶ月から数年で自然に消失することがあります。ただし、自然治癒までの期間は個人差があり、見た目や感染拡大を防ぐために治療が行われることもあります。

イボが大きくなったり数が増えたりする理由は何ですか?

イボは、ウイルスが皮膚細胞内で増殖し、隣接する細胞に感染が広がることで大きくなったり、複数発生したりします。免疫力の低下や摩擦などの外的要因が関与する場合もあります。

自宅で市販のイボ治療薬を使用するのは安全ですか?

市販の治療薬や家庭用凍結療法キットは一定の効果が期待できますが、誤った使用方法によって皮膚にダメージを与えるリスクがあるため、医師の診断を受けた上で適切に使用することが望ましいです。

イボの感染拡大を防ぐための予防策は何ですか?

手洗いの徹底、共有物品の使用時の注意、皮膚に傷がある場合の適切なケアが重要です。また、免疫力を維持するために、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動も予防に役立ちます.

イボとほくろの違いは何ですか?

イボは主にヒトパピローマウイルス(HPV)感染による皮膚の良性腫瘍で、表面がざらざらしており、主に摩擦や接触でできやすいのに対し、ほくろはメラノサイト由来の色素性病変であり、形状や色調が多様で、良性・悪性の可能性も含まれるため、医師による鑑別が必要です。

子供と大人のイボにはどのような違いがありますか?

子供の場合、免疫力が高く自然治癒するケースが多い一方、大人では慢性的に残る傾向があり、また生活習慣や摩擦による再発リスクが高まるため、治療の必要性が増すことがあります。

イボ治療後に瘢痕(傷跡)が残るリスクはどの程度ですか?

治療法によって異なります。凍結療法は比較的瘢痕が残りにくいですが、外科的切除では技術や個人差により瘢痕が残る可能性があります。治療前に医師とリスクについて十分に相談することが大切です.