健康診断
健康診断は、自身の身体の状態をチェックできる重要な機会です。生活習慣病に代表されるような多くの疾患は初期の段階では自覚症状に乏しいため、発症に気付かずに見逃されてしまうケースが多く見られます。定期的に健康診断を受けることで隠れている疾患を早期発見し、病状が進行する前に早期治療を行うことが可能となります。
当院では、千葉市の指定医療機関として個人向けの健康診断から企業向けの定期健康診断に至るまで、様々な健康診断を実施しています。
健康診断の受診方法や内容に関して何かご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
雇用時健康診断
雇用時健康診断とは、雇用者が新たな被雇用者を雇う際に義務付けられている健康診断です。雇用時健康診断を実施することで、雇用者は従業員の健康状態や身体的適性を確認することができ、労働環境全体の質の向上を担保することができます。
当院が実施している雇用時健康診断では、職種に応じて様々な検査をオプションとして加えることが可能です。また、雇用時健康診断に必要な所定の書類作成にも対応しております。ぜひご利用ください。
費用
一般・健康診断 | 9,000円(税込) |
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雇用時健康診断 | 詳細は お尋ねください |
所要時間
1時間程度
結果のお渡し
検査結果は検査翌日の午後にお渡しが可能です。
郵送をご希望の場合はご相談ください。
健診内容(一般健康診断の例)
- 診察(聴診・触診)
- 血圧測定
- 身体測定(身長・体重・腹囲・BMI)
- 視力検査
- 聴力検査
- 尿検査(糖・蛋白・潜血)
- 血算検査(血色素量・赤血球)
- 血糖検査(グルコース)
- 肝機能検査(AST・ALT・γ-GTP)
- 脂質検査(TG・LDL・HDL)
- 心電図検査
- 胸部レントゲン検査
特定健康診査・健康診査
特定健康診査・健康診査とは、主にメタボリックシンドロームによって引き起こされる高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病の予防や早期発見を目的とした健康診断です。
対象
特定健康診査
- 40〜74歳で国民健康保険に加入している千葉市在住の方
健康診査
- 75歳以上で千葉県後期高齢者医療制度に加入している方
(一定の障害があると認定された場合は65歳以上の方)
費用
特定健康診査 | 500円(税込) |
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健康診査 | 無料 |
健診内容
基本項目(すべての方に実施)
- 診察(聴診・触診)
- 血圧測定
- 身体計測(身長・体重・腹囲・BMI(特定健康診査のみ))
- 尿検査(糖・蛋白・潜血)
- 血液検査
- 脂質検査(TG・LDL・HDL)
- 血糖検査(空腹時血糖・ヘモグロビンA1c)
- 肝機能検査(AST・ALT・γ-GTP)
- 腎機能検査他(クレアチニン・尿酸(特定健康診査のみ))
- アルブミン(健康診査のみ)
詳細項目(健診結果などから医師が必要と認めた方に実施)
- 貧血検査
- 眼底検査
- 心電図検査
肝炎ウイルス検診
対象
- 40歳以上の方、もしくは過去に肝炎検診を受けたことがない方
費用
個別検診 | 無料 |
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集団検診 | 実施なし |
検査説明
血液検査を実施します。
B型肝炎・C型肝炎とは
B型肝炎・C型肝炎は、感染者の血液が他者の血液に混入することで感染が拡大します。初期の段階では自覚症状に乏しく、発見が遅れて慢性肝炎に進行するケースが多く見られるため、定期的に検査を行って早期発見・早期治療に繋げることが重要です。なお、近年では医療技術の進歩により、C型肝炎は内服薬によって治療することが可能です。
がん検診等受診券シールをご利用になれない方
- 過去に他の医療機関や千葉市が実施する肝炎検査を受診したことがある方
- 現在、肝炎の治療を行っている方
骨粗しょう症検診
対象
- 年齢が40・45・50・55・60・65・70歳の女性
費用
個別検診 | 1,000円 (70歳無料) |
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集団検診 | 無料 |
検査説明
骨密度検査を行います。
注意事項
- 現在妊娠中の場合、もしくは妊娠の可能性がある場合には、検査前に医療機関にお申し出ください。
肺がん検診
対象
- 40歳以上・1年に1回(65歳以上の方は結核検診を同時に行います。)
- 50歳以上で問診の結果必要と判断された場合には、喀痰細胞診検査を実施します。
費用
胸部エックス線
個別検診 | 600円 |
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集団検診 | 300円 |
喀痰細胞診検査
個別検診 | 400円 |
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集団検診 | 100円 |
検査説明
胸部レントゲン検査とCOPD問診スクリーニング検査を実施します。また、医師が必要と判断した場合には喀痰細胞診検査も合わせて実施します。
注意事項
- 検診当日はボタンやチャック、金具類の付いていない無地の肌着を着用してご来院ください。
がん検診等受診券シールをご利用になれない方
- 現在妊娠中の場合、もしくは妊娠の可能性がある場合
大腸がん検診
対象
- 40歳以上・1年に1回
費用
個別検診 | 600円 |
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集団検診 | 300円 |
検査説明
便潜血検査を実施して便に血液が混入していないかどうかを調べます。便潜血検査では2日分の便を採取してご提出いただきます。
個別検診
個別検診をご希望の場合には、受診する医療機関から採便容器を受け取り、ご自宅で便の採取を行ってください。採取した便の提出に関しては医療機関の指示に従ってください。
集団検診
集団検診の場合には、各区保健福祉センター健康課か健康支援課へ受診券シールを持参し、受診票、採便容器、封筒を受け取ってください。封筒には採取した便の提出場所や受付時間が記載されておりますので、封筒に検診票と採取した便を入れた上で指示された提出場所までご提出ください。
注意事項
正確な検査を行うため、便の採取は提出日を含め原則2日以内にお願いします。この期間の採取が難しい場合には、提出日を含め3日以内まで可能です。採取した便は、提出日までの間は冷暗所に保管してください。また、便秘等の事由により2日分の採取が難しい場合には、1回の便の2箇所の部分から採取してください。
なお、集団検診と個別検診では採便容器が異なるため、集団検診の容器は個別検診では利用できません。
がん検診等受診券シールをご利用になれない方
- 胃がん検診等で一週間以内にバリウムを飲んだ方
(便の採取はバリウムを飲んでから1週間以上期間を空けてから行ってください) - 現在月経中の方
胃がんリスク検査
(ピロリ菌検査)
ピロリ菌とは胃の中に生息する細菌の一種で、胃の中にピロリ菌が確認されると胃がんの発症リスクが高まります。一般的にピロリ菌は離乳食の口移し等による母子感染などによって感染が拡大します。
対象
- 20~39歳で過去に胃がんリスク検査を受けたことがない方
費用
個別検診 | 500円 |
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集団検診 | 実施なし |
検査説明
血液検査によって抗体値を測定します。抗体値を調べることでピロリ菌感染の有無を判定することができます。
注意事項
- 胃がんリスク検査は将来的な胃がんの発症リスクに関与するピロリ菌感染の有無を調べる検査のため、胃がんを直接発見するための検査ではありません。
がん検診等受診券シールをご利用になれない方
- 過去にピロリ菌の除菌治療を行った方、もしくは胃の全摘手術を行ったことがある方
前立腺がん検診
対象
- 50歳以上5歳ごとの男性
費用
個別検診 | 1,200円 |
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集団検診 | 実施なし |
検査説明
血液検査を実施して前立腺から分泌される前立腺特異抗原(PSA)の数値を測定します。
注意事項
- 現在前立腺肥大症治療薬を服用中の場合や内服タイプの育毛剤を服用中の場合には、PSA値が低く出て正確な検査が行えないことがあります。そのため、該当する場合には事前に担当医までお申し出ください。
- 現在泌尿器科を受診中の場合は、担当医に相談の指示に従ってください。
健康診断で異常を指摘された方へ
以下は、健康診断において指摘されることが多い項目です。当院では、受診済みの健康診断や人間ドックの検査結果についての詳しい解説や再検査を行うことが可能です。過去の検診結果についてご不明な点がある場合や再検査をご希望の場合には、お気軽にご相談ください。
血圧が高いと指摘された
高血圧とは、血圧が140/90mmHg以上の状態を指します。高血圧は放置すると全身の動脈硬化を進行させ、脳卒中や心臓病、腎臓病などの重篤な疾患を引き起こす恐れがあるため、注意が必要です。
高血圧を引き起こす原因には様々なパターンがあるため、原因を特定して最適な治療プランを立案することが改善する上で重要です。一般的に高血圧の原因の多くは、塩分過多の食事習慣や運動不足などの生活習慣の乱れとなります。また、季節の変わり目に血圧が変化することもあります。
当院では、患者様一人ひとりに対して最適な薬物療法や生活習慣の改善指導を行い、中長期的に高血圧を改善できるようサポートしています。高血圧でお悩みの場合には、お気軽にご相談ください。
コレステロールの数値が高いと指摘された
コレステロールの数値が高いと、全身の血管を損傷して動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な疾患を引き起こすリスクが高まります。
コレステロールには、HDLコレステロール(善玉)、LDLコレステロール(悪玉)、中性脂肪(TG)の3種類があり、これらは主に脂質の多い食事習慣や運動不足などの生活習慣の乱れによって向上します。
当院では、コレステロールが高めの患者様に対して、食事習慣の改善や適度な運動習慣の取り入れなど生活習慣の改善指導を行っております。お気軽にご相談ください。
尿酸値が高い・痛風の可能性を指摘された
尿酸とは体内のプリン体が分解された際に生成される老廃物で、血液中の尿酸の濃度のことを尿酸値と言います。高尿酸血症とは血液中の尿酸値の基準よりも高い状態で、放置すると痛風発作や腎機能障害、心疾患などを引き起こす恐れがあります。
主な原因は偏った食事習慣や過度な飲酒、運動不足などの生活習慣の乱れで、高尿酸血症は自覚症状がほとんど現れず進行する特徴があります。そのため、健康診断等で定期的に尿酸値を確認することが大切です。
高尿酸血症の状態が長期間継続すると血液中の尿酸が結晶化して足の指に蓄積し、足の親指の付け根などの関節に激しい痛みが生じる痛風発作を引き起こします。
痛風発作の主な治療は、痛みや炎症を緩和させる薬物療法や生活習慣の改善となります。痛風発作を起こすと痛みで歩行が困難になることから日常生活に大きな支障をきたすため、尿酸値が高いと指摘された場合にはできるだけ早く治療を開始するようにしましょう。
尿素窒素・クレアチニンの数値が高いと指摘された
腎臓は、血液から尿を生成したり体内の水分や電解質の調整を行うなど、生命活動には欠かせない重要な臓器の一つです。健康診断等で尿素窒素やクレアチニンの数値が高いと指摘された場合には、腎臓機能が低下している恐れがあります。
腎臓機能が低下した状態が長期間継続すると、蛋白尿や高血圧、貧血などの他、慢性腎臓病、腎不全などの重篤な疾患を引き起こすリスクが高まります。腎臓の異常は自覚症状に乏しく気付かないうちに病状が進行しているケースが多いため、健康診断等で常に自身の状態を把握し、異常を指摘された場合にはできるだけ早く治療を開始することが重要です。
血糖値が高いと指摘された
偏った食事習慣や運動不足などの乱れた生活習慣を長期間継続すると、慢性的に血糖値が高くなる糖尿病を発症します。
糖尿病は多くの重篤な合併症を引き起こすことでも有名な疾患で、特に発症率の高い三大合併症としては糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害が挙げられます。糖尿病性腎症になると腎臓の解毒作用が低下するため、人工透析が必要になります。また、糖尿病性網膜症になると失明のリスクが、糖尿病性神経障害になると下肢切断のリスクが高まります。
近年では糖尿病はインスリン注射などの治療によって状態を改善させることは可能となりましたが、糖尿病は一度発症すると根治することはできません。そのため、健康診断等で血糖値の異常やメタボリックシンドロームを指摘された場合には、できるだけ早い段階で医療機関を受診し、治療や生活習慣の改善を開始することが重要です。
尿潜血を指摘された
尿潜血とは、尿の中に血液が混入している状態を指します。尿潜血は血の混じった赤い尿が出た場合にはすぐに気付きますが、肉眼でも確認できないほどの微量な尿が混入している場合には気付かないケースもあります。
また、尿潜血を引き起こす疾患は初期の段階では自覚症状に乏しいことが多く、中には重篤な泌尿器科疾患の一症状として現れている可能性もあるため、注意が必要です。尿潜血を引き起こす主な疾患は、尿路感染症や尿路結石、尿路系の悪性腫瘍などが挙げられます。
尿潜血が確認された場合には、精密検査を実施して更に詳しい状態を確認する必要があります。精密検査では、腹部超音波検査や尿中の沈殿物を顕微鏡で観察する尿沈渣検査、尿中のがん細胞の有無を調べる尿細胞診などを実施します。
その他、尿潜血とともにタンパク尿が確認された場合には、糸球体腎炎などの腎臓疾患の疑いがあります。糸球体腎炎は放置すると末期腎不全を引き起こして人工透析が必要になる恐れがあります。
従って、健康診断等で尿潜血を指摘された場合には、自己判断で放置せずにできるだけ早い段階で泌尿器科を受診し、精密検査を行うことが重要です。当院でも各種精密検査を実施しておりますので、お気軽にご相談ください。
タンパク尿を指摘された
タンパク尿とは尿中にタンパク質が混入している状態で、一般的に腎臓機能が低下している場合によく見られる症状となります。
タンパク尿を引き起こす主な疾患は高血圧や糖尿病、血液疾患など多岐に渡ります。中には糸球体腎炎などの腎臓疾患や末期腎不全といった重篤な疾患の可能性もあり、治療には人工透析が必要になることもあります。
タンパク尿の数値は、尿検査によって調べることが可能です。タンパク尿を引き起こす疾患は初期の段階では自覚症状に乏しいことが多いため、健康診断等の尿検査でタンパク尿を指摘された場合には、自己判断で放置せずにできるだけ早く泌尿器科を受診し、精密検査や治療を行うようにしましょう。
肝臓の異常を指摘された
健康診断で肝臓の状態に関する数値は、ASTやALT、ALP、YGTP、アルブミン、ビリルビンなどになります。これらの数値が基準値以上を示した場合には、肝臓機能が低下している可能性があります。
肝臓は血液の解毒や糖・タンパク質の代謝などを司る重要な臓器の一つですが、何らかの原因によって肝臓機能が低下すると、様々な体の異常が現れたり疾患を引き起こすようになります。主な原因としては、脂質の多い食事や過度な飲酒、薬の副作用、ウイルス感染などが挙げられます。
ただし、肝臓は沈黙の臓器と呼ばれているように、異常が生じても病状がかなり進行しないと症状として現れない特徴があるため、注意が必要です。
肝臓機能の数値が異常を示している場合には、血液検査や腹部超音波検査などを実施して更に詳しい状態を調べる必要があります。その際には、できるだけ早く当院までご相談ください。
貧血と指摘された
血液中の赤血球の数が基準値以下になると、貧血を引き起こします。健康診断等で赤血球の状態に関与する数値にはMCV(平均赤血球容積)があり、この数値に異常が示されると、貧血と診断されます。
一般的にMCVが低い場合には、胃潰瘍や胃がんなどの疾患によって消化管が出血を起こし、鉄分が失われて赤血球のサイズが小さくなっている可能性が考えられます。
また、MCVが高い場合には、何らかの原因によってビタミンB12や葉酸が欠乏していたり、肝臓が機能障害を起こしている可能性が考えられます。
その他では、腎臓機能が低下している場合にも貧血を引き起こします。腎臓は赤血球の生成を促すエリスロポエチンというホルモンを分泌しており、何らかの原因によって腎臓機能が低下するとエリスロポエチンの分泌量も低下し、赤血球の産生が阻害されて貧血を引き起こします。
いずれにせよ、MCVの数値が異常を示している場合には、できるだけ早く医療機関を受診して精密検査を行い、原因を特定して早期治療に繋げることが重要です。気になる症状が現れている場合には、当院までご相談ください。